秒速FAX(Toones)からの乗り換えガイド
— コスト比較と並行運用での移行手順 (2026年版)
この記事の結論 (3行)
- 月4,000件送信のケースで 年間11万円のコスト削減。送信10円→8円、受信1,100円→無料、AI OCR内蔵で別途OCR契約不要。
- 並行運用で リスクゼロ移行。秒速FAX のメール通知を SP-FAX に転送するだけで、現契約はそのまま OCR・自動化処理を始められる。
- 03/050番号は 番号ポータビリティで引き継ぎ可能。取引先への番号変更通知は不要。番ポ完了後に秒速FAX を解約する流れが安全。
秒速FAX(Toones)を使っていて、月々のコストが気になっていませんか?
秒速FAXはシンプルで使いやすいインターネットFAXサービスです。送信は1枚10円、受信は月額1,100円。個人や小規模事業者には手軽な選択肢ですが、送信件数が増えてくるとコストが無視できなくなります。月に数百件、数千件を送る中小企業にとっては、年間で数十万円の差が出ることも珍しくありません。
実はSP-FAXの開発元である株式会社SPREADも、以前は秒速FAXを使っていました。全国の取引先へのFAX送信と、届くFAX注文書の処理を秒速FAX経由で行い、月額約41,000円を支払っていました。その経験があるからこそ、乗り換えの手順や注意点を具体的にお伝えできます。
この記事では、秒速FAXからSP-FAXへの移行手順と、実際のコスト比較を詳しく解説します。
コスト比較 ― 月4,000件送信の場合
まず、実際の数字で比較してみましょう。月に4,000件のFAXを送信し、受信したFAXをOCRで読み取るケースです。
| 項目 | 秒速FAX(Toones) | SP-FAX |
|---|---|---|
| 送信単価 | 10円/枚 | 8円/枚 |
| 送信コスト(4,000件/月) | 40,000円 | 32,000円 |
| 受信 | 月額1,100円 | 無料 |
| 月額基本料 | 0円 | 0円 |
| AI OCR | なし | 10円/枚 |
| 月額合計 | 約41,100円 | 約32,000円(OCR込み) |
送信だけで見ても月8,000円、年間で約96,000円の差です。さらにSP-FAXにはAI OCRが含まれており、受信FAXの内容をAIが自動で読み取ってデータ化してくれます。秒速FAXでは別途OCRサービスを契約するか、手入力で対応するしかありません。
送信件数が少ない場合(月100件程度)でも、SP-FAXの方が200円安くなり、OCR機能がついてくる分だけお得です。件数が多いほど差は広がります。
補足: 秒速FAXのコストはToones公式サイトの料金表(2026年3月時点)に基づいています。秒速FAXは送信プランが複数あり、ポイント購入プランではさらに安くなる場合もあります。ここでは最もシンプルな従量課金で比較しています。
移行が簡単な理由
「乗り換え」というと大変そうに聞こえますが、SP-FAXへの移行は段階的に進められます。秒速FAXを使い続けながら、SP-FAXを並行して試せるのがポイントです。
受信: メール転送だけでOCRが始まる
秒速FAXはFAX受信時にPDF付きのメールを送信してくれます。このメールをSP-FAXの専用取込アドレスに転送するだけで、AIが自動でOCR処理を開始します。秒速FAXの契約はそのまま、追加の機器やソフトのインストールも不要です。Gmailなら転送設定は5分で完了します。
送信: Web画面またはAPIから
SP-FAXの管理画面からPDFをアップロードして宛先番号を指定するだけでFAXを送信できます。APIも用意しているので、基幹システムやスクリプトからの自動送信にも対応しています。
番号ポータビリティ対応予定
「FAX番号が変わると取引先への連絡が大変」という心配は不要です。SP-FAXでは番号ポータビリティに対応予定で、既存のFAX番号をそのまま引き継ぐことができます。番号変更なしで移行できるので、取引先への通知も必要ありません。
SP-FAXの送信画面。PDFをアップロードして宛先を入力するだけのシンプルな操作。
SP-FAXだけの機能
秒速FAXはFAXの送受信に特化したサービスですが、SP-FAXはFAXの送受信に加えて、届いたFAXの中身を活用するための機能を備えています。
OCRレビュー画面。左にFAX原本、右にAIが読み取った品番・数量などの構造化データが並ぶ。
- AI OCR自動読取 ― テンプレート不要。注文書、見積依頼、代品依頼など帳票の種類を自動判別し、品番・数量・送付先などを構造化データとして抽出
- 品番辞書・商品マスタ連携 ― FAXに書かれた略称や旧品番を正しい品番に自動変換。読み取り精度が使うほど向上
- 外部システム連携 ― kintone、freee、Salesforceなどへのダイレクト連携。CSV出力(弥生販売・商奉行対応フォーマット)やWebhookにも対応
- REST API ― FAX送信・受信・OCR結果取得をAPIで操作。既存の業務フローに組み込み可能
送信履歴画面。送信ステータス、宛先、送信日時を一覧で確認できる。
3ステップで移行する
秒速FAXからの移行は、以下の3段階で無理なく進められます。いきなり全面切替する必要はありません。
SP-FAXに登録 & メール転送設定(5分)
SP-FAXにアカウントを作成し、秒速FAXの受信通知メールをSP-FAXの専用取込アドレスに転送する設定を行います。Gmailの場合は「設定 > メール転送とPOP/IMAP」から転送先を追加するだけです。
この時点では秒速FAXの契約はそのまま。届いたFAXは秒速FAX経由で受信しつつ、SP-FAXのOCRも同時に動く並行運用の状態です。リスクはゼロです。
OCR精度の確認 & 辞書登録(1〜2週間)
実際に届くFAXでOCRの精度を確認します。取引先ごとに品番の表記ゆれがあれば、辞書に登録して変換精度を上げていきます。この期間で自社の帳票にどれくらいフィットするか、じっくり確認してください。
登録時に付与される50枚の無料クレジットで試せるので、費用はかかりません。
FAX送信をSP-FAXに切替
OCRの精度に納得できたら、FAX送信もSP-FAXに切り替えます。管理画面からの手動送信はもちろん、APIを使えば基幹システムからの自動送信も可能です。
番号ポータビリティを利用すれば、既存のFAX番号をSP-FAXに引き継いだうえで秒速FAXを解約できます。取引先から見るとFAX番号は変わらないので、移行の案内も不要です。
開発元のSPREADも秒速FAXから移行しました
SP-FAXのダッシュボード。送受信件数やOCR処理状況をリアルタイムで確認できる。
SP-FAXの開発元である株式会社SPREADは、自動車用LEDライト「Sphere Light」ブランドを展開する製造卸企業です。全国数千社の取引先とFAXで受発注を行っており、以前は秒速FAX経由で月額約41,000円を支払っていました。
秒速FAXに不満があったわけではありません。シンプルで安定したサービスでした。ただ、送信件数が増えるにつれてコストが膨らみ、そして何より、届いたFAXの内容を毎日手作業で基幹システムに入力する工程がボトルネックになっていました。
「FAXの送受信コストを下げたい」「届いたFAXを自動でデータ化したい」。この2つの課題を同時に解決するために自社で開発したのがSP-FAXです。現在もSPREAD社内で毎日使いながら改善を続けており、自分たちが必要な機能を形にしています。
よくある質問(10項目)
Q. 秒速FAXからSP-FAXへ乗り換えるとコストはどれくらい変わりますか?
月4,000件送信のケースで 約9,000円/月、年間で約11万円のコスト削減になります。秒速FAXは送信10円/枚+受信基本料1,100円/月、SP-FAXは送信8円/枚+受信無料。送信枚数が増えるほど差は大きくなります。月10,000件なら月約24,000円・年間約29万円の削減です。
Q. 番号はそのまま引き継げますか?
番号ポータビリティ(NP)で引き継げます。SP-FAX は03/050番号の番ポに対応しています。秒速FAX で取得した番号でも、原則としてキャリアを変えずに移管手続きが可能です。乗り換え前に現契約の番号を伝えていただければ、移管可否を確認します。
Q. 移行中に取引先からのFAXが届かなくなる心配はありませんか?
並行運用が可能です。秒速FAXのメール通知を SP-FAX に転送設定するだけで、現契約はそのまま維持しつつ SP-FAX 側で OCR・自動化処理を始められます。リスクゼロで導入確認できる点が乗り換え検討者には重要です。番ポ完了後に秒速FAX を解約する流れが安全です。
Q. 乗り換えにはどれくらい時間がかかりますか?
並行運用の開始は数分です(メール転送設定のみ)。番号ポータビリティが必要な場合、キャリアの手続きで 1-2週間 かかります。番ポ不要なら新規番号取得即日で完全移行可能。
Q. 秒速FAX で使っていた送信履歴・受信FAXは持ち出せますか?
秒速FAX 管理画面から PDFダウンロードで持ち出せます。SP-FAX 側にインポートしたい場合、受信FAXを email transfer で SP-FAX に流せば自動的にOCR処理されてDBに登録されます(過去分も同様)。
Q. AI OCR は秒速FAX でも使えますか?
秒速FAX 単体には OCR 機能はありません。別途 OCR サービスを契約する必要があり、テンプレート設定が必要なケースが大半です。SP-FAX は AI OCR を内蔵(10円/枚)、テンプレート不要で印字FAX 95%以上、手書きにも対応します。
Q. API 連携や基幹システム連携はできますか?
SP-FAX は REST API・Webhook・kintone・freee・Salesforce 直結に対応しています。秒速FAX は API 機能が限定的で、基幹システムとの連動には別途仲介システムが必要なケースが多いです。受発注業務を自動化したい場合は SP-FAX 側で完結します。
Q. 秒速FAX の解約手続きは面倒ですか?
秒速FAX 管理画面から解約申込が可能です(要支払情報確認)。番号ポータビリティ完了 → SP-FAX 側で受信確認 → 秒速FAX 解約、の順で進めれば取引先への通知不要で移行完了します。
Q. SP-FAX に乗り換えた後、秒速FAX に戻したくなったら?
SP-FAX は 最低契約期間なし・いつでも解約可。番号は再度ポータビリティで戻せます(ただし手続き日数は再度かかる)。受信FAXのPDFは管理画面から一括ダウンロードできるためデータ持ち出しも問題ありません。
Q. 電帳法対応はSP-FAX でできますか?
対応済です。SP-FAX は改ざん不可ストレージ + AI-OCR による検索キー(日付/金額/取引先)自動抽出で、電子帳簿保存法の真実性確保と検索要件を自動的に満たします。秒速FAX は OCR がないため検索要件を別途満たす必要があり、電帳法対応工数が増えます。詳細は FAX 電子帳簿保存法 完全対応ガイド 参照。
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